東野圭吾「パラドックス13」あらすじ・感想!東京から人が忽然と消えた

小説

東野圭吾さんといえば「白夜行」や「容疑者Xの献身」など数多くの名作を出しているミステリー作家ですが、「パラレルワールド・ラブストーリー」のような理系出身ならではの作品でも楽しませてくれます。

今回紹介するのは2009年に単行本として発売された「パラドックス13」。いつかブログで紹介したいなと思っていた一冊です。
こちらもSFですが、サバイバル要素が強く、生きるということについて考えさせられる内容になっています。

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あらすじ

日本時間の3月13日、午後1時13分13秒から13秒の間、地球はブラックホールの影響で巨大なエネルギーの波に襲われ、空間が移動する。
空間だけではなく、時間も13秒間跳ぶ「P-13現象」と呼ばれる事態が発生する。

そのことによって何かの変化は起きると思われるが、把握することはできない。
内閣総理大臣の大月はJAXA(宇宙航空研究開発機構)から報告を受けました。
何が起こるか予測できないのなら、国民には一切極秘にして、P-13現象発生時に大事件や大事故が起きぬよう、各省庁に様々な対策を命じます。

迎えた運命の日、捜査一課管理官の久我誠也(くが・せいや)は強盗殺人犯を逮捕するために、張り込みをしていました。

時刻は午後1時13分。

誠也の弟でもある刑事の久我冬樹(くが・ふゆき)はオープンカーで現れた犯人を捕り逃がすまいと、車の後部に飛びつきます。それを見た誠也が助けに入りますが、拳銃で撃たれてしまいます。今度は車を運転していた犯人が片手で銃を構え、冬樹に向けて銃弾を放ちます。

その直後でした。車を運転していた犯人の姿が忽然と消えてしまったのです。
運転手を失った車はガードレールにぶつかり止まりましたが、道行くあらゆる車からも運転手が消え、暴走した多数の車が衝突をしていました。

冬樹は周囲を見回すが、人の姿はどこにもありません。
何が起きたのか分らないまま、拾った自転車で走り続けますが、やはり人を見つけることができません。

人探しを続ける冬樹は、ようやく2人の母娘と一人の男性を見つけます。
3人も突然起きた超常現象に戸惑っている様子でした。

その後、ラジオの呼びかけを聞いた冬樹は東京駅に向かいます。
そこで兄の誠哉と再会を果たすと、他にも6人の男女が東京駅に集まっていました。
これで今見つかっている生存者の数は11人。

地下にある喫茶店で話し合っていると、全員の共通点を見つけました。
それは人間消滅が起きた瞬間、11人それぞれのいた場所に、ここにいる他の誰かが近くにいたこと。

不思議に思いつつも、話を進めていると、激しい地震に襲われます。その影響で火災が起き、奥から煙が迫ってきました。
地下街を脱出した11人は全員が休める場所にマンションを選びます。

怪我人が出たことや、マンション内で赤ん坊を見つけたことで、当分はこの場所に留まることに決めました。
すると建物が壊れかねないほどの地震が起き、外に逃げると東京の街はほぼ壊滅状態でした。
またもや移動を強いられた生存者たちはもっと安全なところを探しに行きます。

道路には割れたガラスが散乱し、所々が陥没していました。文字通り、道なき道を進みます。
地震の影響で火災が起こり、遠くの建物は火に包まれ辺りを燃やし尽くしていました。
仕方なく避難所に選んだのは周りの建物から隔離されている中学校の体育館でした。

学校周辺の状況を調べている中、誠哉は一人で警視庁本部に向かいました。
超常現象が起きたあの日、犯人を逮捕する寸前だった誠哉に上司から突然の指示が来ていたことを思い出したからです。

1時13分前後に危険な行為は絶対に避けるように。
あの指示と超常現象は何か関係があったのか、元いた自分の職場にやって来ました。
上司の部屋に行くと「P-13現象への対応について」とタイトルの付いた1枚の書類を見つけます。

内容は3月13日、午後1時13分前後に 何かが起こることを予期していたことが書かれ、総理大臣官邸にP-13現象対策本部が設置されるとありました。
すぐに総理官邸に向かった誠哉は、建物内に侵入すると対策本部のある会議室を見つけます。

机の上にはP-13現象に関する冊子が置かれていました。
冊子を手に取り、読み進めた誠哉は、この世界の秘密を知ることに。
すると誠哉は頭を抱え、しゃがみこんでしまうほどの絶望感に陥いります。

感想

序盤から緊迫感が漂い最後まで一気に読ませてしまうスピード感があります。
凄まじいまでの過酷な環境に陥りますが、他人を思いやる心を持ち、みんなをまとめた誠哉のリーダーシップには脱帽です。
そんな彼でも、後半には無神経な発言をしてしまい、信頼関係を壊してしまうシーンがあるのが少し残念でした。
ただ、未来に希望を持ち続ける彼の精神力の強さには敬服します。

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