湊かなえ「豆の上で眠る」あらすじ・感想

小説

 

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あらすじ

物語は主人公の安西結衣子(ゆいこ)が神戸の大学から実家に帰省途中、小学一年の夏に起きた姉の失踪事件を回想しながら、現在と交互に進んでいきますが、時系列に沿って書いていきます。

結衣子は二つ年上の姉、万佑子(まゆこ)と神社の裏山でシェルター作りをして遊んでいたが、結衣子の同級生たちが来て一緒に遊ぶことになります。

虚弱な万佑子は疲れたから帰ると言い残し、そのまま行方不明に。

それから一週間ほど過ぎると、口をガムテープでふさがれている万佑子を乗せた車が、県営住宅の方へ向かったという目撃証言が出てくるようになります。

身代金目当ての誘拐と思われたが犯人からの連絡もなく時間だけが過ぎていきます。

そして隣の県で、五年前に万佑子と同じように行方不明になっていた当時小学四年生の弓香ちゃんが無事保護されたというニュースが流れます。

犯人は二十代後半の男で、弓香ちゃんの家から一キロもない所に住んでいました。

ショッキングなのは弓香ちゃんに首輪を付け、犬小屋に閉じ込め、ドッグフードを与えていたということ。

母は、この事件を娘の事件と重ね、正気を失っていきます。

協力者を作り、スーパーで女児向けのキャラクター商品を購入している男をチェックし、その中から県営住宅付近に住んでいる男達の家を見つけ出していました。

母は家の猫がいなくなったと嘘をつき、結衣子に猫捜しという名目で怪しい家を訪問させ、家の中の様子を探らせていました。

しかしクラスメートのおばあちゃんの家まで疑ったことで、いじめられることになってしまいます。

結衣子はつらい日々を送ることになりますが、二年後、万佑子が失踪した当時と同じ服装で保護されたと連絡が来ます。

行方不明だった間の記憶を失っていた万佑子は病院で治療を受けていました。

しかし対面を喜んでいる両親に反して結衣子には本物の姉なのか判断できませんでした。

DNA検査の結果、姉と判明されても、姉に対する違和感は拭えません。

なぜなら万佑子は二年前にローラースケートで怪我をして右目の横に傷跡が残ってしまったのだが、帰ってきた万佑子の傷はきれいに消えていました。

失踪事件から13年経ち、大学生になった結衣子は神戸の大学から、病気になった母の見舞いで帰省します。

途中、バス乗り場にいる姉を見かけます。姉と一緒にいる友人らしき女性の右目の横には、傷跡がありました。

DNA検査の結果では姉は本物と証明されています。
では姉と一緒にいた友人は何物だったのでしょうか?

 

感想

タイトルの「豆の上で眠る」はアンデルセン童話の「えんどう豆の上に寝たお姫様」から来ています。

一粒のえんどう豆の上に羽根布団を重ねた上で寝かせ、違和感を感じるかどうか。
感じたものが本物のお姫様という話。

本作では、結衣子が戻ってきた万佑子に違和感を持ちますが、私は結衣子にだけ真相を隠す家族に違和感を感じました。

姉の万佑子は父親寄りの顔。妹の結衣子はどちら寄りの顔でもない。

母の万佑子に対する想いにくらべ、結衣子に対する扱いのひどさを考えると、結衣子と心がつながっていたのは猫のブランカだけだったのでしょうか?

そう思うとかわいそうでなりません。

いくつか無理を感じる設定でしたが、真相が気になり、先を読み進めたくなる作品でした。
あまり語るとネタバレになってしまうので、詳述は避けます。

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